オオカミの再導入の反対意見(沖縄・マングースの例)

マングース

壊された生態系の復元に注目されているのがオオカミの再導入です。

アメリカ・イエローストーンの事例をもとに、日本でも導入しても良いのではないか?とする意見があります。

しかし、オオカミの再導入に賛成の人もいる一方、人や家畜に対する危害などの問題点を指摘する意見もあります。

オオカミの再導入には地域住民の理解を得る事が不可欠です。

アメリカでのオオカミの再導入の効果

1995年と1996年にアメリカのイエローストーンでオオカミの再導入が実施された結果、捕食者の頂点であったコヨーテ(小型のオオカミ)がオオカミに取って代わりました。

すると、ポプラなどを食い荒らしていたエルク(シカの仲間)をオオカミが捕食して個体数を減らし、山の木々の成長が戻り、その他の生態系も回復に至ったのです。

しかし、2011年の調査ではオオカミが家畜を襲う事件が複数件ありました。

家畜被害のうちオオカミによるものと確認された場合については、政府の「オオカミ補助金」により補償されていますが、依然として住民からの反対意見もあります。

住民からは、家畜だけでなく人的被害も起こるのではないかという心配の声も挙がっています。

(参考:オオカミ再導入で生態系は? 米イエローストン国立公園の試み 100頭近くで推移

日本におけるオオカミ再導入に対する反対意見

地域住民が一番気にしていることは、家畜の被害だけでなく、人的被害です。

実際に、オオカミが住んでいる国では少なからず被害があり、アメリカに比べて国土の狭い日本では、相対的に被害が大きくなるのではという意見があります。

次に管理の問題です。イエローストーンでのオオカミ再導入では発信機を取り付けるなどの集中的な管理を実施していました。

もちろん日本でも、オオカミの管理は必要です。しかし、オオカミの定着できる広い面積での管理は困難が予測されます。

沖縄のマングースの例

オオカミの再導入の反対に引き合いによく出されるのが、沖縄でのマングース導入による生態系の破壊(人間の誤解に基づいた方法)です。

100年ほど前、ハブの駆除を目的として、沖縄で外来種のマングースが導入されました。

しかし、蓋を開ければマングースはハブをほとんど食べておらず、沖縄に住む、オキナワキノボリトカゲやヤンバルクイナなどの島固有の希少種を食べていました。

その後も、マングースは個体数を増やし、現在では駆除の対象になっています(参考:マングース根絶への課題

日本でのオオカミの再導入では、外来種であるタイリクオオカミを検討しています。

しかし、本当にオオカミの再導入が生態系の再生の効果があるのか?マングースと同じような結末にならないのか?が心配のタネとなっています。

まとめ

オオカミの再導入において、イエローストーンでの事例があり、生態系が回復しました。

しかし、イエローストーンの事例はオオカミの導入効果だと決定付けるのはまだ早い、慎重に経過を観測する必要があるとする研究者がアメリカでは大勢います。

同じ様に日本で実施するとなると、地域住民や国からの支援を得るためにじっくり議論を重ねていく必要があるでしょう。

しかし、議論を重ねてもやってみないと分からないのも事実です。環境を整え小規模で実施し、問題があれば改善していくというやり方もあるかもしれません。

画像提供:Gabor Fejes

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